夫婦カウンセリングを知っていますか?
この記事では、夫婦カウンセリングについてまとめました。
どんなことが相談できるのか、夫婦の問題の解決をすることができるのか、夫婦カウンセリングの選び方などを知りましょう。
また、カウンセリングを受ける前にできることもあるので、試してみてください。
目次
夫婦カウンセリングとは
夫婦カウンセリングとは、問題を抱えた夫婦が解決に向けてカウンセリングを受けることです。
夫婦別々にカウンセラーと話すこともあれば、一緒に受けることもあります。
海外ドラマではよく登場しますが、最近は日本でも夫婦カウンセリングが増えてきました。
カウンセラーと話して、問題点や原因を見つけ、関係の改善策を実施します。
夫婦だけで解決しようとすると感情的になってしまうような事柄でも、カウンセリングを通すことで冷静になれたり相手の気持ちがわかったりすることもあります。
カウンセリングを通して関係修復を目指す夫婦が多いですが、離婚という結論を出す夫婦もいます。
夫婦カウンセリングで相談できること
夫婦カウンセリングで多く相談されるものはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、具体的にどんな相談ができるのかご紹介します。
パートナーの浮気や不倫
浮気の気配がある、不明な外出が目立つ、過去の浮気が許せないなど、不信感が募っているという相談です。
カウンセリングでは、相手を責め立てたり自己保身に走ったりするのでなく、カウンセリングを通して自分と相手に向き合っていきます。
カウンセラーは探偵ではないので、浮気そのものを突き止めることはしません。
しかし、双方から話を聞くことで浮気に走った原因や、疑い深くなった原因などを聞いて解決の道を探ります。
信頼を取り戻すためにはどうしたらいいか、気持ちを落ち着ける為にはどうしたらいいかを知ることで、感情的にならずに向き合うことを助けるカウンセリングです。
セックスレス
異性として見られなくなった、スキンシップをしたくない、同じ寝室で寝たくないと言われたなどの悩みを相談する人も多くいます。
セックスだけが夫婦の価値ではありませんが、人によってはこのまま結婚生活を続けていくかどうか考えるほどの大問題です。
カウンセリングではこのようなデリケートな問題も扱います。
ちょっとした一言で傷ついて触れられるのが嫌になったり、体調が悪かったりなど意外な原因が潜んでいることも多いです。
カウンセリングではセックスレスの原因がどこにあるのか、そしてどうしていきたいのかヒアリングを通して見つけていきます。
夫婦間のコミュニケーション
夫婦は1番近い他人です。
コミュニケーションの取り方が分からない、産後クライシスで辛い、相手が何を考えているのか分からない、そんなコミュニケーションに関する悩みを持つ夫婦の橋渡しも行っています。
休日の朝ごはんは一緒に食べる、寝る前に10分間だけ今日あった楽しかったことを話す、共有の予定表を作るなど、夫婦ごとに適したコミュニケーションを提案してくれます。
教育や教育方針について
子どもを大事にしてくれない、育児が任せきりで辛い、教育方針が合わないなどです。
中学受験をさせるか否か、理解できないこだわりがある、やめて欲しい言動があるなど。
「どちらが正しいか」をジャッジするのではなく、双方の主張や理由を聞き、最善の道を探ります。
不妊治療について
子どもができない、妊活に消極的、不妊治療がうまくいかないなど。
不妊治療は夫婦の熱量、お金、どこまでやるのか、負担の差などで夫婦仲がこじれてしまうことがよくあります。
心、体、お金の負担が大きい不妊治療は夫婦の足並みがそろわないと、夫婦の大きな溝を残してしまいかねません。
カウンセリングでは、心の負担を軽くする手助けをしてくれます。
相手の家族について
夫婦カウンセリングが扱うのは夫婦2人だけの問題にとどまりません。
夫が姑の味方ばかりする、自分の家のことばかり気にして相手の家のことには関心がないなど、嫁姑問題や同居問題、実家依存なども取り扱っています。
「普通」や「常識」「ウチは代々〇〇だから」などを理由に「〇〇する」ではなく、夫婦が納得できる家族の在り方について模索します。
夫婦カウンセリングで問題が解決できる場合と難しい場合
夫婦カウンセリングは魔法ではないので、「カウンセラーに任せればなんでもかんでも解決!」とはなりません。
問題が解決しやすいケースと解決しにくいケースがあり、その分かれ道は相談する夫婦の姿勢にあります。
問題が解決しやすいケース
不満や原因がはっきりしている場合や、相手も問題解決に協力的な場合は比較的解決しやすいです。
たとえば、妻が家事の負担に不満を持っている場合、具体的に夫に何をして欲しいのか、夫が家事をしない理由などを聞き取り、すり合わせを行っていくことができます。
例をあげると次のような場合です。
夫:これからは自分のワイシャツは自分でアイロンをかける。だけど、仕事上がりは疲れているから休日にまとめてやるのでまとめて置いておいて欲しいと言う。それから、スペックの良い洗濯機を買い、こまめにお礼を言うのを心がける。
妻:夫が帰宅後、こんなに疲れていると察することが出来ず、ガミガミ言い過ぎてしまった。帰宅後に労わりの言葉をかけるようにする。家事を見下す態度が嫌だったから、お礼を言ってもらえたら嬉しい。
お互いの事情を理解しあうことで、これから気持ちよく暮らしていくための方法を建設的に考えることができるでしょう。
問題が解決しにくいケース
1つ1つの問題は些細なことであっても、長年積み重なってきていて、相手が期待していない状態であったり、相手が修復に協力的ではなかったりする場合、解決は難しいでしょう。
たとえば、上記と同じ、家事の不公平な負担の不満についても片方、あるいは両方が次のように思っている場合は歩み寄ることが難しいです。
夫:家事は相手の仕事。譲歩するつもりは一切ない。自分は仕事をやっているのだから、手伝って欲しいなんてわがままだ!カウンセリングなんて必要ない!
妻:何度も「家事を手伝う」と誓っているけれど、結局口先だけの三日坊主。何度も裏切られてきた。もう何を言われても信じられない。
「悪いのは100%相手」「変わる必要があるのは相手だけ」「相手が我慢すればいい」という考え方を変えない限り、お互いに不満を募らせるばかりになってしまいます。
夫婦カウンセリングの選び方
夫婦カウンセリングはどのようにして選んだらいいのかについて紹介します。
自分達にとって相性の良いカウンセリングを選びましょう。
料金で選ぶ
面接の相場は1時間5,000円~10,000円です。
初回は無料のものもあるので試してみるのもいいでしょう。
極端に料金が安いところはカウンセラーの質が悪かったり、経験が浅かったりする場合もあります。
とはいえ、料金が高ければ高い程効果が期待できるというわけではありません。
方法で選ぶ
夫婦カウンセリングには様々なスタイルがあります。
対面以外にも、電話やオンラインチャット、メールなど、相談所まで行かなくてもカウンセリングを受けられるサービスが用意されていることが多いです。
カウンセリングは1度で解決できず、何度か利用することになります。
継続できるかどうか、自分たちに合った方法で受けられるところを探しましょう。
在籍カウンセラーで選ぶ
夫婦カウンセラーは資格必須の職業ではありません。誰でも名乗ることができます。
数万円の受講費で夫婦カウンセラーになれる通信教育さえあります。
だからこそ、どんなカウンセラーのカウンセリングを受けたいのかしっかりと考えましょう。
臨床心理士の資格を持っている、性別、実績、口コミ、得意分野などをチェックしてみてください。
夫婦カウンセリングは夫婦そろって受けるのが好ましいですが、「片方だけでもOK」としているカウンセラーもいます。
夫婦カウンセリングを受ける前にして欲しいこと
以下のことを心がけると、もしかしたら自分達だけで関係を改善できるかもしれません。
カウンセリングに頼る前に、まずは自分達で努力をしてみましょう。
問題を先延ばしにしない
1つ1つは小さな不満であっても、目をそらし続けていれば、積もり積もってやがて大きな亀裂となってしまいます。
喧嘩をしたらその日のうちに謝るなど、問題から目を背けたり先延ばししたりしないようにしましょう。
「自分や相手が我慢すればいいだけ」という考え方をしていると、当人同士ではどうしようもなくなってしまう程、問題が大きくなってしまいます。
何が問題なのかを夫婦で話し合う
問題がこじれてしまうと「なんとなく全部嫌い!」となってしまいやすいですが、それでは前にすすめません。
問題の本質を2人で共有できるようにしましょう。
- ・今の話なのか
- ・昔の話なのか
- ・何が嫌でどうして欲しいのか
をきちんと伝えあってみてください。
家事についてならば、
- ・相手に家事をして欲しいのか
- ・散らかさないで欲しいのか
- ・お礼を言って欲しいのか
- ・相手の求める家事の完成度と自分の思っている完成度に差はあるのか
などをすり合わせしましょう。
「相手が家事をしてくれない!」「日中家にいるのだから家事をして当たり前!」と不満を抱いていたとしても、よく話し合ってみると「過去に見下されたような発言に傷ついていた。家事自体をやりたくないのではなくもっと感謝されたい。」「やっても雑だと文句を言われるからやりたくない」というようなこともあります。
どういう家庭を築きたいのか理想を語り合う
どんな家庭にしたいのかを理解し合うことで誤解が解けることがあります。
されて嫌なことが分かり合えればそれを尊重し、気遣い合いながら暮らす道が見えてくるはずです。
こんなときは放っておいて欲しい、こんな言葉は言わないで欲しい、サプライズよりも一緒に計画を立てたいなど、言わなければ伝わらないことはたくさんあります。
ゴールを設定しないままではそれぞれが「こんなに頑張っているのに」と、さらに不満を貯めこんでしまいかねません。
思い出を振り返る
楽しかった頃の話、出会いやデート、プロポーズなど、「この人と結婚しよう」と決めた時や「一緒に居られて幸せ」と思っていた時期を振り返ってみましょう。
感謝の気持ちや思いやりなどを持って接することができるようになります。
楽しかった思い出の写真やお土産品などを部屋に飾っておくのもおすすめです。
夫婦カウンセリングは、こじれてしまった夫婦関係を瞬く間に修復してくれる魔法の手段ではありません。
あくまでカウンセリングを通して夫婦がお互いを理解し、関係改善をしていく手助けをしてくれるだけの存在です。
夫婦間の問題ならばなんでも取り扱っていますが、双方に改善の意思がないと問題解決は難しいでしょう。
日ごろからコミュニケーションを大切することが1番重要です。
また、夫婦カウンセラーを選ぶ場合は料金や方法、カウンセラーが自分達に合っているものを選ぶように心がけましょう。