現在、不妊治療をしている夫婦や、これからしようと思っている夫婦は年々増加しています。
しかし、不妊が原因で夫婦の仲たがいしたことによる離婚数も増えており問題となっております。
不妊治療は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
それゆえ、仲が良かった夫婦が離婚に至ってしまうケースが増えているのです。
今回は、不妊が離婚に繋がる理由と、離婚する前に1度考えてほしいことをご紹介します!
不妊で離婚を考えている方の力に少しでもなれれば幸いです。
目次
不妊とは?離婚の事由になる?
不妊は法律上、離婚の事由になりません。
なぜならないのか?不妊症や離婚について徹底解説します!
不妊症とは
妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないことを言います。
不妊カップルは約5.5組に1組と言われています。
また近年、晩婚化により妊娠を考える年齢が上昇していることもあり、この割合はもっと高いとも言われています。
不妊治療をしてすぐに妊娠する人もいれば、1年以上治療を続けても妊娠しない人もおり、先が見えない治療にうつ状態となる人も増えています。
不妊だけで離婚はできる?
法律上、不妊が原因による離婚はできません。
しかし、不妊をきっかけとして婚姻を継続しがたい重大な状況に至っている場合、離婚することができます。
例えば、不妊により夫婦関係が悪化し修復が困難な場合や、セックスレスや不妊によりうつ病などの精神病になった時です。
また、不妊が原因でパートナーが不倫した場合も、離婚の事由となります。
不妊で離婚する夫婦は多い
不妊治療は夫婦で協力し支え合わなければ、とても乗り切れるものではありません。
パートナーが不妊治療に乗り気ではなく、一方だけが頑張っていたり、不妊治療を意識しすぎてそれがプレッシャーになるなど、不妊治療の過程で価値観のずれが浮き彫りになり離婚に至る夫婦が増えています。
不妊治療は金銭面での負担が大きく、心や身体にも負担がかかるので、夫婦で意見や話し合いをしておかないと、喧嘩の原因となり離婚に繋がりやすくなります!
不妊が離婚に繋がる理由
不妊が離婚に繋がってしまう主な理由を解説します。
離婚に繋がる原因を知り、もう1度夫婦で冷静になって話し合ってみましょう!
セックスへの義務感から
「今日は排卵日だからね」と日付を決められると、セックスが子どもを作るためだけの行為となってしまいます。
特に男性側がそれにプレッシャーを感じ、セックスレスになる夫婦が多いです。
射精や勃起ができない「排卵日ED」と呼ばれる現象に陥ってしまう方もいます。
セックスはお互いの愛を感じることができるコミュニケーションの1つなので、不妊で焦ってしまう気持ちもあると思いますが、相手の気持ちにたって寄り添うことが大切です。
一方が不妊治療に協力的でないから
片方が不妊治療に非協力的で、特に男性の方が多い傾向にあります。
ただ、不妊治療がめんどくさいというよりは、「自分にもし原因があったらどうしよう」と怖くなり検査することをためらってしまう男性が多いようです。
WHOの不妊症原因調査でも、男性不妊48%、女性不妊65%、夫婦両方24%と、男性に原因がある場合は珍しくありません。
不妊の原因を知れば、よりスムーズに治療をできるので、男性も勇気を出して検査を受けてみましょう!
金銭的にも身体的にも苦痛だから
不妊治療には投薬や検査、通院、金銭面などで精神的にも身体的にも大きな負担となります。
仕事や私生活にも影響してくるので、悩むことも多く苦痛になる人も多いです。
しかし、世の中の不妊治療に対する考え方も少しずつですが変わりつつあり、国からの補助金や不妊治療休職制度を取り入れている企業もでてきています。
そして、不妊治療にはパートナーの支えが1番の力となります!
お金の問題やどのくらい負担がかかるのか、予め話しておくといいでしょう。
親からのプレッシャーが耐えられないから
親からのプレッシャーで悩んでいる方は多いです。
実家に帰るたびに「孫の顔が見たい」と言われ、自分も欲しいのにどうしようもない状況をわかってもらえない苦しさに嫌気がさしてしまいます。
また、義理の親からもプレッシャーをかけられ、その上1番の味方だと信じていた夫が守ってくれないと精神的に落ち込んでしまい、うつ状態となってしまう人も増加しています。
親に自分の気持ちを伝える、義理の家族とは少し距離を置くなど、自分が辛くないように行動することも大切です。
精神的に不安定になるから
不妊治療に使用されるホルモン剤で、精神的に不安定になってしまうことがあります。
薬との相性が悪く、ひどくなるとうつ病になったりする人もいます。
不妊治療を長く続けていると、終わりが見えない治療に体力も心も奪われ、精神的に不安定になってしまいがちです。
1度不妊治療をやめて夫婦でお出かけをする、美味しいものを食べるなど、リフレッシュすることで妊娠に繋がることもあります。
結婚相手を変えたいから
不妊の原因がパートナーにあり、どうしても子どもが諦めきれず、別の人と結婚したいと思ってしまうケースがあります。
また、自分に子どもができないとわかり、パートナーに離婚を伝える人もいます。
辛い状況ですが、まずは夫婦でよく話し合うことが大切です。
里親制度や2人で生きていく道もあるので、すぐに判断せず落ち着いて考えましょう!
不妊で離婚する前に確認したいこと
不妊で離婚を決める前に「本当にこれでいいのか」もう1度考えてみましょう。
不妊で離婚する前に確認したいことを3つご紹介します!
子どもに対する気持ちはどのくらいか
夫も妻も、どうしても子どもが欲しいのでしょうか?
もしかすると相手は、子どもはもちろん欲しいけれど、パートナーが辛い思いをし続けるなら、2人で楽しく生きていきたいと願っているかもしれません。
自分の子どもが欲しいという気持ちばかりで、相手の気持ちを無視していませんか?
もう1度夫婦でとことん自分の気持ちを話し、これからの方向性を決めましょう。
不妊治療が辛くなっているだけじゃないか
好きな人との子どもが欲しくて始めた不妊治療だったけれど、治療が上手くいかず辛くて、感情的になってしまっていませんか?
不妊治療をする前は、夫や妻と仲が良く大好きだったはずです。
不妊治療が辛すぎるなら、一度思い切ってやめてみてください。
夫婦で手を繋いでデートをしたり、のんびり旅行に行ったりするのもおすすめです!
実際に、不妊治療をやめて旅行に行ったら、自然妊娠したという夫婦もいます。
不妊以外に離婚したい理由はあるか
不妊で離婚を考えている場合、不妊以外に離婚したい理由があるのかどうか考えましょう。
不妊は離婚の理由にはならず、不妊だけが理由なら、改善する方法があるかもしれません!
不妊以外に理由があり離婚したいのか、もしくは理由を作るほど離婚したいのか、自分の気持ちともう1度向き合ってから答えを出しても遅くはありません。
不妊治療以外に道はあるの?
「不妊治療を長く続けたけれど上手くいかない…」と絶望した時に考えて欲しいのが、不妊治療以外の道です。
不妊治療以外に考える主な道を2つをご紹介します。
夫婦それぞれの道をぜひ見つけてください!
里親制度を利用する
児童福祉法に基づいて、里親となることを希望する方に子どもの養育をお願いする制度です。
親の病気、家出、離婚、そのほかいろいろな事情により家庭で暮らせない子どもたちを、自分の家庭に迎え入れます。
子どもの親になることができますが、どんな子どもでも愛情を持って育てるという覚悟が必要です!
公益財団法人全国里親会という団体もあるので、1度夫婦で話を聞き里親制度も視野に入れてみても良いかもしれません。
2人で生きていくことも考える
不妊治療をやめて、2人で子どものいない夫婦として歩んでいく道を選ぶ人もいます。
子育てがない分、お金や時間を自分達に使うことができ、海外旅行や趣味など夫婦で自由に暮らすことができます。
色んなところへ行き、夫婦でたくさんの景色や楽しいことを共有して歳を重ねていくのも幸せです。
子どもがいるから幸せではなく、自分達の幸せは夫婦で作っていけるものです!
不妊で離婚をする前によく考えて
「不妊治療が原因で妻と喧嘩ばかり…」「協力的でない夫にイライラする…」と不妊が原因で離婚を考える人はたくさんいます。
しかし、本当に離婚を選択しても良いのか、もう1度立ち止まり考えてみてください。
相手は、人生を一生一緒に過ごすと誓ったパートナーです!
夫や妻は自分にとってどんな存在か、離婚して本当に後悔しないのか、冷静に考えて結論を出しましょう!