国際結婚は日本人同士で結婚するよりも必要な手続きが多いです。文化の違いに悩む夫婦も少なくありません。
しかし、国を超えて育んだ愛があれば大丈夫です。1つ1つ焦らずにクリアしていきましょう。
全てを自力でやる必要はありませんよ。
目次
国際結婚するカップルの割合は3%台
2018年の時点で、日本人の国際結婚の割合は3.7%です。
100組のカップルのうち3~4組、国際結婚の割合は極めて低いといえます。
国際結婚するカップルを国別に見てみると、「日本人妻・外国人夫」の場合も「日本人夫・外国人妻」の場合も相手はアジア系(中国・韓国・フィリピンなど)が多いようです。
やはり、物理的に距離が近いと結婚へのハードルも低くなるのでしょう。
ただし、日本人妻の場合は、アメリカ人夫の割合も高いです。
外国人男性から見ると日本人女性はとても「かわいく」見えるため、日本人男性からは考えられないような熱烈なアプローチを受けたり、結婚後も大切にしてもらえたりします。
「外国人と結婚する」なんて、なんとなく響きも良いですよね。子どもも必然的にグローバルに育ち、友達から憧れられるかも。
国際結婚の手続きは実際「大変」
国際結婚は日本人同士の結婚よりも手続きや必要書類が多いです。
日本人同士ならば役所に婚姻届と戸籍謄本を提出するだけで手続きは完了します。
しかし、国際結婚の場合は日本と伴侶側の国の窓口、2箇所で行わなくてはなりません。(「窓口」とは大使館や領事館などです。)
日本の役所での手続きには婚姻届、日本人側の戸籍謄本、外国人側の婚姻要件具備証明書(日本語訳付き)、パスポートなどが必要です。
伴侶側の国の婚姻手続きにも必要な書類はほぼ同じですが、詳細や書式は異なるため注意しましょう。
書類の取得に時間がかかるものや書類に有効期限のあるものもあります。
大使館のホームページなどに必要書類やその取得方法、書式などが掲載されているのでチェックしましょう。
1つずつクリアしていけば絶対に終わります。
国際結婚の手続きが大変な理由3つ
国際結婚の手続きが日本人同士に比べて大変だと言われる理由を紹介します。
外国人との結婚には根気が必要です。
1.必要書類が多い
国際結婚は日本人同士の結婚よりも必要書類が多いです。
婚姻届、日本人側の戸籍謄本、相手側のパスポート、婚姻要件具備証明書(日本語訳付き)などが必要です。
相手側は国によって書類の種類や書式、取得方法も異なります。
国際結婚の多い地域(愛知県、東京都など)や国際結婚の多い国(アジア系)ならば役所や大使館も馴れていますが、あまりなじみのない役所や国だと、苦労するかもしれません。
とはいえ、すべて明確なルールに則って運営されています。
分からないことは聞いたり調べたりしながら進めましょう。
2.時間がかかる
相手が海外にいたり短期ビザしか持っていなかったりすると、手続きに時間がかかる場合があります。
「婚姻要件具備証明書」をなかなか発行してもらえない可能性があるからです。
婚姻要件具備証明書がないと、婚姻届を提出した後に、役所が法務会に対して行う「受理照会」に1~3ヶ月程度かかる場合があります。
受理照会とは、「この2人は結婚して大丈夫ですか?(重婚などしていませんか?犯罪者ではありませんか?)」という問い合わせのことです。
日本人同士や中長期ビザを持っているカップルならば、婚姻届けを提出してから受理されるまで約1週間ですが、婚姻要件具備証明書の用意が難しい場合は長期戦を覚悟してください。
国際結婚の手続きでつまずいたら「行政書士事務所」や「国際結婚協会」などに相談しましょう。
プロを頼れば負担が減ります。
3.婚姻届以外にも届出が必要
日本で外国人配慮と結婚生活を送る場合、配偶者ビザと呼ばれるものが必要です。
在留資格申請書、写真、配偶者(日本人)の戸籍謄本、配偶者(日本人)の住民税の課税証明書)などを用意しなければなりません。
収入が安定していない、交際期間が短い、年齢差が大きいなどがあると、偽装結婚を疑われる可能性があります。
疑われやすいケースに該当している場合は「この結婚は真剣交際の結果だ」と証明できるもの(ツーショット写真やLINEのやり取りなど)を用意しておくとスムーズです。
そのほか日本人同士の結婚同様に、必要に応じた苗字変更の手続きも行いましょう。
免許証、クレジットカード、保険関係など忘れずに。
国際結婚の流れと注意点は?!
国際結婚の流れと注意点について、細かく見ていきましょう。外国人と結婚する際は、段取りが何よりも大切です。
1.必要書類を確認する
婚姻届を提出する役所に必要書類を確認します。
通常の書類に加えて、パスポートや婚姻要件具備証明書なども必要です。
婚姻要件具備証明書は日本語訳も揃えてください。
書類によっては有効期限があるため、提出までのスケジュール感を調整しましょう。
2.婚姻届を提出する
必要書類をそろえ、役所に提出します。
相手の姓に変える場合は苗字変更届も提出しましょう。
婚姻要件具備証明書があれば1週間ほどで婚姻届受理証明書を受け取れます。
これに関しては日本人同士の結婚と変わりません。
婚姻要件具備証明書が無い場合は受理照会が必要なので、受理証明書が受け取るまで数カ月待つ場合もあります。
3.相手国で婚姻届けを提出する
日本人同士の結婚ならば婚姻届受理証明書を受け取ってお終いですが、国際結婚はもうひと手間かかります。
相手国でも結婚の手続きをしてください。
婚姻届と婚姻届受理証明書、その他必要書類を提出します。
国ごとに書式や必要書類が異なるので、大使館のホームページなどでチェックしましょう。
婚姻届の提出先は基本的に大使館です。相手の国まで持っていく必要はありません。
こちらも受理されれば、晴れて夫婦です。おめでとうございます。
国際結婚は手続き後も大変?!ありがちなトラブル6選
国際結婚したカップルに多いトラブルを紹介します。話し合いや譲り合いで乗り越えていきましょう。
1.価値観の違いがあり過ぎる
結婚は異文化コミュニケーションです。
日本人同士でさえ、新婚時代は価値観のすり合わせの日々が続きます。
みそ汁の具から洗濯物の干し方、収納など様々な面で「我が家のやり方」を作っていかなければなりません。
国際結婚ともなれば、なおさらです。
食、性、お金、衛生観念、人付き合い、宗教などさまざまな面で価値観の違いを実感するでしょう。
どうしても受け入れ難いものがあると、深刻な溝になることも。
2.簡単に帰国できない
結婚して海外に住む場合、結婚生活が上手くいかなくても簡単に日本には帰れません。
戻りたくても戻れないストレスがまたストレスになって、さらに追い込まれることもあります。
離婚したくない夫が帰国を妨害するケースも多いです。
また、子どもを連れて勝手に帰国すると誘拐罪に問われるかもしれません。仕事や言葉に不自由していると、別居すら難しいです。
どこの国にも相談窓口はあるので、チェックしておきましょう。
3.子どもが生まれた時も大変
日本で子どもが生まれた場合、通常の出生届の他に「国籍保留届」が必要です。
「国籍保留届」により、将来子どもが自分で国籍を選択できます。
さらに配偶者の国の大使館にも出生届を提出してください。詳細は国によって異なります。
母子手帳、婚姻証明書などが必要な場合もあるので、あらかじめ確認しておくとスムーズです。
相手側の国で出産する場合はその国の決まりに応じた出生届を出しましょう。
さらに日本の大使館にも3ヶ月以内に出生届を提出しましょう。
提出が遅れると子どもが日本国籍を得る権利を失う場合があります。
4.言葉の壁に阻まれる
言葉の壁は大きいです。
日常会話に問題が無くても、細やかな感情やニュアンスが届かなければストレスが溜まります。
夫婦どちらかが言葉の壁に阻まれれば、友達もできず、孤独が募り、片方に依存したりストレスをぶつけたりするかもしれません。
自分の国に来てもらう側はケアに力を入れましょう。
ホームシックをわがままだ、気合が足りないなどと非難してはいけません。
5.食文化が合わない
国際結婚は食文化の違いにぶつかるケースが多いです。
食事に馴染めないと生活すべてが嫌になりかねません。
宗教上NGな食材がある、好物が手に入りにくい、香辛料に馴染めないなど悩んでいる人は多くいます。
元気な時には惚れた相手の国の食事だからこそ、美味しく食べられますが、気が弱くなっている時には食べ慣れた味が恋しくなるものです。
6.スキンシップが嫌すぎる
ハグやキスなど、スキンシップが濃厚な文化の出身者と結婚すると、ウンザリしてしまう人もいます。
国によってはお出かけもイベントも夫婦一緒が当たり前です。
1人で食事や映画、お出かけを気ままに楽しみたいという人にとっては窮屈に感じるかもしれません。
「1人で寝たい」などと言ったら、離婚問題になるケースもあります。
国際結婚した女性の体験談3選
苦難を乗り越え、国際結婚した女性の体験談を紹介します。
1.27歳・Oさんの場合
勤め先のレストランで知り合ったインド人と結婚しました。
憧れの国際結婚に舞い上がったものの、手続きの大変さに愕然としました。
彼と同じ宗教に入信する必要があるなんて…。
これまで宗教が身近な環境じゃなかったので、戸惑いました。
ともあれ無事に結婚し、今は2人の店を持てるように頑張っています。
結婚するために宗教に入信する必要があるなんて、日本人同士だとほぼ聞きませんよね。
手続きをこなしていく中で、2人の距離がより縮まり、結婚への覚悟も定まってきたのではないでしょうか?
2人のお店の実現に向けて、頑張ってください。
2.33歳・Kさんの場合
外資系企業に勤務しており、取引先のアメリカ人と出会いました。
結婚後はアメリカに移住することに。
英語は大丈夫でしたが、文化の違いからホームシックになってしまいました。
普段はポジティブなのに「早く帰りたい」と悩んでいたところ、ちょうど妊娠が発覚。
久々の日本で癒されたくて、長めの里帰り出産を希望しています。
元気な時には海外生活を楽しむことができますが、気が弱くなるとホームシックに襲われてしまうものです。
子育ては結婚先の地域に馴染むチャンスです。
なんらかのコミュニティーに属するなど、孤独を埋める方法が見つかるといいですね。
3.37歳・Aさんの場合
英会話スクールで講師のカナダ人と知り合い、結婚。
2児に恵まれました。
結婚時には夫のパスポートが切れてしまっていたり、なかなか婚姻要件具備証明書を発行してもらえなかったりと苦労しました。
出生届の提出も、日本人同士より面倒だったし…。
でも、夫と結婚してしみじみ良かったと思っています。
レディーファーストの文化が染みついているし、家事も子育てもとても協力的!
手続きは大変だったけど、下手な日本人男性と結婚するより楽してると思います。
結婚後もレデイ―ファーストが続いているなんて、素敵ですね。
筆者の夫に聞かせてやりたいです…。
お子さんもきっとバイリンガルになるので、将来の選択肢も多くなりそうです。
諸々の手続き、お疲れさまでした。
まとめ:国際結婚の手続きは日本人同士より大変!必要書類や期限に注意しよう
日本人同士の結婚手続きも何かと面倒ですが、国際結婚はさらに大変です。
とはいえマニュアルやルールが提示されているので、恐れ過ぎる必要はありません。
多少時間や手間がかかることを覚悟し、1つ1つ着実にこなしていきましょう。
全部自分でやる必要はありません。
パートナーと分担し、時には専門の窓口に相談したり依頼したりしましょう。
素敵な結婚生活を応援しています!