幸せなはずの結婚直前の時期に不安や悩みに襲われることをマリッジブルーと呼びます。
マリッジブルーは誰にでも起こりうることですが、軽視は危険です。マリッジブルーの状態を知り、対処法を身に付けて付き合っていきましょう。
幸せな結婚まで、あと一息です。
マリッジブルーの意味とは
マリッジブルーとは「マリッジ(結婚)」+「ブルー(憂鬱な気分)」が合わさった言葉です。
婚約が成立したものの、不安や憂鬱、悩みなどに包まれて結婚を楽しみに思えません。
不安や悩みの理由が明確なこともあれば、漠然としていることもあります。
おめでたいことだと分かっていても、心が晴れません。
結婚という人生の中でも大きな節目の前に、気持ちがふさぎ込んでいる状態です。
マリッジブルーの特徴10個
マリッジブルーによく見られる症状を紹介します。自覚がないままマリッジブルーになっていることもあるので注意してください。
1.ぐっすり眠れない
寝付きが悪い、朝早く起きる、眠りが浅い、夜中に覚醒してしまう、朝スッキリ起きられない、昼間に強い睡魔に襲われるなどの睡眠障害が見られます。
大きなストレスや考え事などのせいで熟睡できません。
そして睡眠不足になるとさらに考えが良くない方向に行き、マリッジブルーが加速するという悪循環に陥りやすいです。
2.なんとなく気持ちが落ち込む
幸せまっただなかであるはずなのに、気持ちが落ち込みがちです。
そして落ち込んでいる自分にまた落ち込むという負のループにハマります。
結婚や婚約、プロポーズなどに強い憧れを持っていればいるほど「こんなはずじゃないのに」という気持ちになりやすいです。
「幸せなはずだ」「幸せでなければならない」と思えば思うほど、現実の自分が受け入れられません。
3.パートナーにやたらイライラする
結婚が決まった途端、パートナーの嫌なところが目につき始めます。
付き合い始めた時には気にならなかった些細な欠点や悪癖などが急に大きな問題のように感じるのです。
「こんなことで結婚生活は大丈夫なのか?」「私はこの悪癖に一生付き合えるのか」などと心配になり、矯正しようとしてケンカになることもあります。
本当に好きなのか分からなくなる女性も多いです。
「恋人時代には両目で見極め、結婚後は片目をつぶって見ない振り」が理想ですが、なかなか出来るものではありません。
実際には「恋は盲目」状態から、結婚を前にリアリストになる女性が多いです。
4.わけもなく涙が出てくる
情緒不安定な状態です。
大きなストレスを抱えていると、自分の意思とは関係なく、突然涙が溢れることがあります。
悲しくないし、泣きたくもないのに泣いてしまうのは、メンタルが参っている証拠です。
涙が突然流れてしまうようならば「私は今、正常ではないんだな」と自覚してください。休みが必要です。
5.結婚準備が面倒で仕方ない
結婚準備は心躍るものばかりではありません。
- ・両家の顔合わせとその段取り
- ・引っ越し準備
- ・職場や知人への報告
- ・住所や名前の変更に伴う各種手続き
- ・結婚式の準備
挙げたらキリがありません。
中でも姓の変更にまつわるアレコレはナーバスになりやすいです。
お金も飛ぶように消えていきます。
慣れない結婚準備をこなしながらも、仕事や家事などの通常タスクは据え置きなので、疲れやすいです。
6.自分の選択が正しかったのか不安になる
結婚準備が進むにつれて「引き返せない」という恐怖感に駆られます。
もっと自分にはふさわしい人がいるのではないか?やっぱりこの結婚はやめた方がいいのではないか?
そんなことが頭をよぎります。
結婚が上手くいくかどうかはやってみなければ分からないし、決めた以上は不安がるよりも上手くやっていく努力をしたほうがいいのは理解していても、不安でたまりません。
まだ何も不幸なことが起きていないのに、不幸な気分になります。
7.引っ越す前からホームシック
実家暮らしの場合は、家族と離れることに抵抗感を抱くこともあります。
- ・お母さんのご飯を食べられなくなる
- ・ペットと別れなければならない
- ・近所のお気に入りのお店にももう気軽に行けない
などという寂しさを感じます。
一方、1人暮らしが長かった場合は他人と暮らすことを億劫に思いがちです。
これまでの生活がガラリと変わることを前向きにとらえられません。
- ・自由気ままな生活が出来なくなる
- ・家具やインテリアを自分だけで決められなくなる
- ・気を使いながら生活をしなければならない
などにプレッシャーを感じます。
8.食欲がなくなる
食欲不振もストレスを抱えているサインです。
逆にストレスを解消しようと過食に走ってしまう人もいます。
摂食障害は情緒不安定を加速させるので甘く見てはいけません。
長期間に渡るのならば、クリニックの受診をお勧めします。
9.元彼に連絡したくなる
「この人と結婚していいのかな?」という悩みが強すぎた結果、元彼に連絡したい衝動に駆られる女性もいます。
結婚に迷いがあるため「引き留めて欲しい」という思いがあるからです。
とはいえ、実際にやるとろくなことにならないので、ほとんどの女性は実行しません。
「あのまま元彼と付き合っていたら、どんな結婚生活になったのかな?」などと思いを馳せたりします。
元彼の記憶を美化してしまい、さらにマリッジブルーに拍車がかかることも。
10.結婚のデメリットばかり延々と考える
- ・姓が変わる
- ・家族と離れる
- ・家事や育児の負担は女性の方が重い
- ・自由がなくなる
など、結婚のマイナスな面ばかりが頭に浮かび、ナーバスになります。
結婚にポジティブになれません。
「結婚は人生の墓場」という気持ちになります。
マリッジブルーになる原因7個
なぜマリッジブルーになるのか、原因を見てみましょう。原因が分かると受け止めやすいですよ。
1.結婚の覚悟ができていなかったから
プロポーズをする男性側は結婚する覚悟を固めてから伝えていますが、受ける側はそうではないことも。
「まさか今日プロポーズされるなんて!」と驚いてしまいます。それでもその場では、嬉しさからOKする人が多いです。
覚悟が固まっていない状態のため、後日冷静になるとマリッジブルーに陥ります。
2.結婚に迷いがあるから
元彼の方が良かったんじゃないか?パートナーの年収が低すぎるのでは?この人を愛し通せるだろうか?などと結婚に迷いがあると、マリッジブルーになりやすいです。
ほんの少しの要素であっても、「一生のこと」と思うと実際以上に重大な懸念事項に思えてしまいます。
3.女性の方がストレスをため込みやすいから
感受性が強く、ホルモンの影響を受けやすい女性はストレスをため込みやすいです。
とくに結婚は女性の方が生活の変化が大きいので、強いストレスにさらされます。
人生の大きな転機を前に、危険予測をして備えなければならないので、能天気に喜んでいるのは危険です。
マリッジブルーは正常なこととも言えます。
4.柔軟な考え方ができないから
「結婚とはこうあるべきだ」という考えが強すぎると、そこからはみ出すことに強いマイナス感情を抱きます。
別居婚、事実婚、週末婚、格差婚、国際結婚、子連れ再婚など、柔軟な結婚形態をとっている夫婦も一定数いますが、まだ少数派でしょう。
一般的な「幸せの基準」を満たせないと、不安を感じます。
- ・仕事か家庭か
- ・子どもかキャリアか
- ・家事や子育ては妻が中心
などの固定観念にとらわれず、自分たちのスタイルを構築しましょう。
最初から100点を目指そうとするから、ブルーになってしまうのです。
5.まだ遊び足りないから
独身でいる時は遅くまで友人と遊んでいても平気だったし、「今日あいてる?」と気軽に異性の友人も含め集合しても気にならなかったでしょう。
また、一人で趣味に没頭して何時間経過していても問題ありません。
しかし、結婚となると時間の制約がつきものです。
まだ時間や世間体を気にせず遊んでいたかった、という理由から自由がなくなることに恐れを感じてしまいます。
6.親と離れるのが不安だから
もともと一人暮らしをしていればさほど抵抗はないものの、箱入り娘だったり、地元を離れて一人知らない土地へ行くのは誰だって怖いです。
また、親に持病があると近くにいてあげたいと思って当然です。
すぐ近くに理解者がいない苦しみを思うと不安になってしまいます。
7.男性が結婚準備を手伝ってくれないから
プロポーズしてくれたのは良いものの、結婚にまつわる一切を女性側におしつけられては参ってしまいます。
結婚に対しての責任がないのかと不信になりますし、今後一生このままなのかと不安になります。
頼りにならない男性だと思ってしまい、好きだった気持ちも冷めてきます。
そもため、準備が面倒になってきて放置したくなります。
マリッジブルーの対処法8個
マリッジブルーの対処法を紹介します。せっかくの婚約期間なので、前向きに過ごしましょう。
1.パートナーに気持ちを伝える
パートナーに不安な気持ちを打ち明けましょう。
ただし「打ち明ける」のであって「ぶつける」のではありません。
「受け止めて欲しい」「聞いて欲しい」「知って欲しい」など、パートナーに何を求めているのかを伝えてください。
男性も結婚という大きな節目にナーバスになっていることは多いので、「婚約者ならば全てを受け止めるべき」という考えは危険です。
「不安もあるけれど、支え合って幸せになっていこう」と伝え合いましょう。
2.甘いもの・美味しいものを食べる
気分が晴れない時は美味しいものを食べましょう。
美味しいものは幸せホルモンの分泌を促します。
それに「美味しいものを食べれば幸せになれる」と知れば、結婚なんて怖くありません。
自分で自分の機嫌を取る練習をしましょう。
3.できるだけたくさん寝る
寝つきが悪くなったとしても生活リズムを崩さないようにしましょう。
「どうせ眠れないから」と夜更かしをすると、情緒不安定が加速します。
安眠作用のあるアロマやハーブティー、音楽、アイマスクを利用したり、日中運動をしたりなど、睡眠の質を改善する工夫をしてください。
ぐっすり寝れれば、マリッジブルーから一歩前進します。
4.「したくないこと」を書き出す
「漠然とした不安」は手ごわいので、不安を細分化しましょう。
箇条書きで、不安に思っていることや「したくないこと」を書き出してください。
物事を整理すると解決策が見えてきます。
お金に不安があるのならば、結婚生活でかかるお金を試算し、実際にいくら足りないのか具体的な金額を把握しましょう。
金額が分かれば節約や収入アップの明確な目標になります。
親戚づきあいが嫌ならば、年に何回、何時間会うのか、具体的に何が嫌で、どの程度ならば受け入れられるのか、何があれば我慢できるのかなどを考えましょう。
5.既婚者の友達に相談する
既婚者のほうがマリッジブルーや結婚の不安に理解があります。
「私にもあったよ」「うちの場合はこうしているよ」などと聞けば心が落ち着きやすいです。
幸せな結婚生活の話を聞けば、結婚が楽しみになるでしょう。
問題の解決方法だけでなく、ストレス解消法や息抜き方法などを知るのも大切です。
「結婚前に不安に思っていたことが現実になってしまったけれど、まぁ致命傷と言うほどではない」というケースも多くあります。
6.クリニックを受診する
不眠、摂食障害、感情や行動のコントロールができないなどの症状が2週間以上に渡る場合はメンタルクリニックの受診がおすすめです。
カウンセリングや投薬などで落ち着くケースがあります。
特に、睡眠が改善すると他の不調も改善しやすいです。
人気のクリニックは予約がなかなか取れないこともあるので、本気で困ってしまう前に余裕を持って予約を入れましょう。
7.1人でゆっくり過ごす時間を作る
結婚前は決めること・やることが多くて誰でも疲れます。
疲れていれば、感情もネガティブになりやすいです。
意識して1人の時間を作り、リフレッシュしてください。
1人でショッピングやランチに行ったり家でぼんやりしましょう。
事前にパートナーと示し合わせて「この日は結婚準備を休みにしよう」と取り決めておくのもおすすめです。
パートナーにもしっかり休んでもらうことで、お互いに余裕を持った状態で次の準備に取り組めます。
8.温泉やマッサージに行く
温泉やマッサージなどで体を労わりましょう。体が楽になれば心も楽になれます。
デートで温泉に行ってもいいですし、一人で行くのもいいでしょう。
結婚生活が始まればさらにたくさんのストレスが待っています。
自分なりのリフレッシュ方法を婚前に見つけておくと、心強いですよ。
まとめ:マリッジブルーは乗り越えられる!自分をリラックスさせる方法を知ろう
マリッジブルーになってしまうのは、愛が足りないからではありません。
結婚に真剣に向き合っているからこそ、さまざまな悪いことを想定したり頑張り過ぎて疲れたりしてしまうのです。
マリッジブルーの自覚を持ち、自分に合った対処法で乗り越えていきましょう。
休むことと不安の元を分析することが特に大切です。