50代夫婦はさまざまな人生の転機を迎えます。
そんな転機の中で、仲が悪くなってしまったり離婚を選んだりすることも。
50代夫婦の実態とよりよく生きるための関わり方や考え方を紹介します。
目次
50代は夫婦の境目!
50代は子どもの巣立ち、あるいはひと段落や早期退職、住宅ローンの返済見通しが立つなど、人生の区切りの時期です。
そして「人生の区切り」として離婚を選ぶ夫婦も多くなっています。
厚生省のデータによると、離婚するカップルのうち、最も多いのは同居してから5年未満ですが、次いで多いのが同居してから20年以上です。
(引用元:厚生労働省データ)
20~30歳で結婚したカップルが20年以上連れ添い、そして50代になってから別れを決断することは珍しくありません。
50代夫婦の実態
50代夫婦の実態について紹介します。
周りから見ると仲が良さそうに見えていたとしても、実は様々な不満や悩みを抱えているケースが少なくありません。
会話が少ない
50代になると会話が減る夫婦が増えてきます。
新婚のような情熱がなく、日常もある程度固定化されてくるからです。
かつては子どもが共通の話題でしたが、その子どもも手が離れてしまいました。
また、相手に対して新鮮さがなくなるばかりか、敬意や謝意まで失ってしまっている場合もあります。
そうなると無視されたり関心を寄せてもらえなくなったりします。
魅力がなくなった
50代になると体型や容姿が出会った若い頃のままというわけにはいきません。
さらに、長く結婚生活が続くと生活面でも恥じらいがなくなり、トキメキがなくなってしまいます。
お風呂上りに裸に近い恰好で出歩く伴侶を見て「どこを好きだと思っていたんだっけ?」と思ってしまうのです。
スキンシップが減った
50代になると20代のころのようにスキンシップしたい、またはして欲しいと思わなくなってくるものです。
スキンシップもコミュニケーションの1つなので、スキンシップが減るとコミュニケーション自体も減ってきます。
コミュニケーションの減少が原因で愛情まで減ってしまうことも。
セックスだけでなく、手をつなぐ、肩を寄せ合うなどのささやかな肌のふれあいが積み重なって夫婦は心を通じ合わせていきます。
資産問題で不仲になった
子どもの手が離れる時期になると、両親の介護や資産相続、老後資金など、養育費とは別のお金の問題が出てきます。
生活していく上で、お金は見ないふりができない問題です。
「金持ち喧嘩せず」という言葉がありますが、その逆も然り。
お金に余裕があったとしても、とてもデリケートな問題です。
お金が無かったり「自分だけ損をしている」と感じたりするとピリピリしてしまいます。
介護の問題で喧嘩しがち
50代夫婦の親は介護や看取りを考えなければならない年齢です。
この親の介護で揉めるケースが多くあります。
自分の親しか大切にしてくれない、義理の関係の親に無関心過ぎる、押し付けてくる、文句を言うと不機嫌になるなどの悩みはとても多いです。
今までの関係や兄弟、資産状況など、問題は複雑化しやすく、また先が見えない不安感から喧嘩に発展しやすくなってしまいます。
50代夫婦が仲良くいるためのあり方
50代は問題を抱えやすい年代です。
だからこそ、夫婦仲良くいるためのあり方を知りましょう。
新婚の頃とは違う思いやりや、考え方を意識してください。
干渉し過ぎない
長く夫婦でいると2人でワンセット、一心同体、運命共同体のような気持ちになってきます。
しかし、夫婦は1番近い他人です。
過度に干渉すると自分の思い通りではない反応をされた時に、裏切られた気持ちになってしまいます。
「塩分減らしたほうがいいんじゃない?」「家にこもっていないで新しい趣味でも始めたら?この教室なんてどう?」など相手の為を思った提案であっても喜ばれるとは限りません。
50年も生きていれば、それぞれ自分のスタイルを確立しています。
困っているようならば助けるべきですし、自分が迷惑だと思うなら話し合いも必要ですが、そうでないのならば相手の1人の時間や選択を尊重しましょう。
自分の時間も大切にする
相手の時間を大切にするとともに、自分の時間も大切にしましょう。
例えば、相手が家でゴロゴロしているのならば、自分は気にせずに趣味の時間にすれば良いのです。
相手が毎日似たような服しか着ないのならば、それが相手にとって1番心地よくてお気に入りなので、そこには干渉せず、自分は自分で好きな服を着ましょう。
世話を焼き過ぎず、お互い自立して自分の時間を大切にすることは、相手を尊重することに繋がります。
お互いを1番の友人だと思う
男女だからといって、常にトキメキを求めたりトキメキがないことに失望したりしていると疲れます。
50代になるまでに十分トキメキは楽しんだと割り切り、相手にトキメキではなく親友のような思いを抱いてみましょう。
長年生活を共にし、子どもを育て、家計を共有していきた仲間、戦友、相棒のように認識を持てば、敬意を持って接することができます。
50代夫婦が円満でいるためにできること
50代以降も円満な関係を築いていくためにおすすめの方法を紹介します。
付き合いが長くなると遠慮がなくなってしまいがちですが、近しいからこそ、思いやりが大切です。
感謝の気持ちを伝える
ただ「ありがとう」だけではなく、「今日のご飯、おいしいね」「まめに雑草を抜いてくれたおかげで庭の花がキレイに咲いたね」「洗剤の補充してくれてありがとう」など、細かい所に気が付き、お礼を言いましょう。
そうすることで「自分に関心を持ってくれている」「相手には素晴らしい点がある」と意識することができ、愛情を保ちやすくなります。
適度なスキンシップをとる
夫婦のスキンシップ=セックスとは限りません。
寝る前に少し触れ合う、外に出かける時は手をつなぐ、こまめにハグをするなどの触れあいを大切にしましょう。
50代になれば、親しい相手でもそう滅多に触ることはありません。
だからこそ、夫婦で触れあうことで「この人は誰よりも特別」という気持ちが持続できます。
相手の話をきちんと聞く
相手の話を聞かずに、自分の考えを押し付けるような話し方になっていないか気を付けましょう。
討論のような会話、相手の間違いを認めさせようとするような会話、自分の正しさを主張するような会話ばかりをしていませんか?
円満でいるためには正しさや面白さなどよりも「話をきちんと聞く」ことに意義があります。
それぞれの趣味や楽しみを持つ
共通の趣味があるのは素晴らしいですが、夫婦別々の趣味、そして世界も持つようにしましょう。
外で出来るものや、家族を巻き込まない趣味が望ましいです。
家族以外の人と好きなものに没頭したり、語り合ったりする時間があると、気持ちの切り替えができて日々が充実します。
いい意味で相手への関心が薄れ、良い距離感を保つのを助けてくれるでしょう。
前向きな言葉を心がける
仲が悪くなったり相手を嫌いになったりすると、威圧的な態度や言葉を使いがちです。
しかし、そのような態度をとり続けているとますます仲の悪さに拍車がかかってしまいます。
夫婦は勝ち負けではありません。
やりたいことや楽しかったことなどを、ポジティブな言葉で表現するようにしましょう。
楽しそうに振舞っていれば、気持ちもだんだんと上向いてくるものです。
2人で旅行をする
せっかく子どもが手を離れ、時間ができたのです。
夫婦2人きり、水入らずの旅行で親睦を深めましょう。
温泉ならばゆったりでき、ご飯も美味しいので50代が楽しみやすいです。
少し奮発して高級ホテルなどを利用するのもいいですね。
仲良しな50代夫婦は努力があってこそ!
人生における転機の時期である50代夫婦。
お互いに不仲にならないように意識することが大切です。
「長い付き合いだから許される」「〇〇して当たり前」などと思っているとあっという間に深い溝ができてしまいます。
今まで以上に相手への思いやりと敬意を持つようにしましょう。
そして、それと同じくらい、自分の時間も大切にしてください。
お互いが「よくあろう」と努力を続ければ今まで以上に良い関係を作れるでしょう。